【6月24日 東方新報】中国で「地溝油」と呼ばれる、飲食などで使用された廃棄油を製造販売した罪に問われた4人の被告に対する審理が14日午前、北京市(Beijing)房山区(Fangshan)の裁判所で行われた。

 被告席に座ったのは、厨房の廃棄物を回収し地溝油を作った夫婦と地溝油を買った料理店の経営者、地溝油を買って「火鍋の素」を製造した会社の経営者だ。

■被告席の4人─地溝油製造、配達、店、「火鍋の素」工場

 房山区検察院は、夫婦である張被告と陳被告が北京市大興区(Daxing)などの料理店から回収した唐辛子や山椒などの厨房で出た廃棄物を倉庫に運び、抽出や搾油などを経て「油脂製品」に加工し直し、料理店などに販売したと告発した。

 加工した油を張被告から購入したのは、王被告と蔡被告。王被告は、同市朝陽区(Chaoyang)平房郷(Pingfang)で料理店を経営。張被告は、王被告が料理店の経営者であることを知りながら、何度も油脂製品を販売。陳被告は配達係だった。王被告は、油脂製品が地溝油を使って作られたことを知りながら購入して料理を作り、顧客に提供した。

 また、蔡被告は房山区のある食品会社の責任者として「火鍋の素」を製造。張被告が販売しているものは地溝油だと知りながら購入し、地溝油入りの「火鍋の素」を作り続けた。

 北京市公安局は、長い捜査の後に、張被告と陳被告夫婦が大興区や昌平区(Changping)などの料理店から厨房の廃棄物を回収し、借家の中に運び入れていることを突き止め、2017年9月22日、容疑者全員を逮捕した。

 検察は、張、陳、王、蔡の各被告は、製造・販売した食品の中に有毒で有害の非食品原料を混入させた有毒・有害食品罪としてその刑事責任を追及するとしている。