【6月22日 AFP】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)に出場しているアイスランド代表は、チームの指揮官が歯科医であることが知られており、選手もボードゲーム制作からワイン輸入業までさまざまな職業に従事している。中でもGKのハネス・ハルドルソン(Hannes Halldorsson)は、映像作家として自身いわく他の選手とは一線を画している。

 16日のアルゼンチン戦でリオネル・メッシ(Lionel Messi)のPKを防ぎ、アイスランドが1-1で引き分けるのに貢献したハルドルソンは、黒海沿岸のキャンプ地で報道陣に対し、「映像製作はチームの中でも変わった職業の一つだ。サッカーと映像製作の二足のわらじは珍しい」と話した。

 現在はデンマークのランダースFC(Randers FC)でプレーしているハルドルソンは、リーグがセミプロであるアイスランドのサッカー選手は、興味のある仕事を副業として追求するのは当たり前になっているとして、「若いときからずっと情熱を注いできたことだ。高校を出てからも夢中でやっている」と明かした。

 ハルドルソンは2012年の欧州国別対抗歌謡祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト(Eurovision Song Contest)」でビデオクリップを撮影した経歴があり、今回のW杯でもチームのプロモーション動画やスポンサーのCMも手掛けている。その一方で、ロシアで快進撃を続けるチームにこっそり密着したドキュメンタリー映像の製作スタッフを手助けすることからは、「距離を置いている」という。

 過去のW杯では全試合をテレビで見ていたというハルドルソンだが、今回はサッカー界最大の祭典に母国が初出場を果たしたことで、以前のようにはできなくなった。「誰がプレーしているのか知らないし、自分たちの試合以外はどうなっているのか分からない。僕らは自分たちのプランに集中しているだけだ。だから、ビデオルームで試合の映像が流れていても、いつもみたいにW杯を見ているという感じはしない」 (c)AFP