【6月22日 AFP】米国で秋に開催される音楽祭で、ブロックチェーン技術が初めて活用される──チケット転売問題などに対処するための導入だ。

 ブロックチェーンが導入されるのは、10月20日に米サンフランシスコのシビックセンター・プラザ(Civic Center Plaza)で開催されるアワー・ミュージックフェスティバル「OUR Music FestivalOMF)」。電子音楽アーティストのゼッド(Zedd)も出演する。

「ブロック」と呼ばれるデータの塊をオンラインの台帳に一定時間ごとに移して連結させるブロックチェーン技術は、医療記録や銀行取引、そしてビットコイン(Bitcoin)などの仮想通貨を支える技術として、その使用が拡大している。

 同音楽祭では、モバイルアプリを通じて分散台帳にある全チケットの購入状況を確認することができるため、これまで開催者らが手を焼いてきた転売市場の完全な撲滅にも期待が寄せられている。

 音楽祭の構想を打ち出した、DJ「3LAU」ことジャスティン・ブラウ(Justin Blau)氏は、「現在の発券方法には、転売、偽造、詐欺、異常な価格設定など、多くの問題があるのは明らかだ。しかたなく既存の仕組みを利用しているに過ぎない」と述べる。ブラウ氏もOMFに出演する予定だ。

 ブラウ氏は、チケットの早期購入やイベントへの友人紹介などに対するインセンティブを導入する上でも、ブロックチェーン技術が大いに役立つと考えている。同氏は、航空会社のマイレージサービスを例に挙げながら、インセンティブとして入手可能な仮想通貨を使い、VIP席へのグレードアップや、飲食物の購入に充てられると説明した。

 ブラウ氏は現在、音楽祭主催者のプライム・ソーシャルグループ(Prime Social Group)およびブロックチェーン関連会社SingularDTVと協力体制にあり、今後2年以内に日本とスペインのバルセロナでのOMF開催を希望している。(c)AFP