【6月22日 AFP】ブラジルの最高裁判所は21日、大統領候補を笑いものにすることを禁止した法律を無効とする判決を下した。同国は10月に大統領選を控えている。

 この法律は既に差し止め命令によって停止されていたが、最高裁は判事11人の全員一致で確定的な判決を出した。

 2009年に施行されたこの法律の下では、選挙前3か月間はテレビやラジオで大統領候補を風刺したり、からかったりすることが禁止されていた。この法律は施行から1年後に停止された。

 アレシャンドレ・ジモラエス(Alexandre de Moraes)判事は21日の判決で「戯画化されたくない人は家にいるべきだ――そうした人は公職に立候補すべきではない」として、この法律は「完全に違憲」だと述べた。

 中南米最大の国のブラジルでは厳しい不景気が続き、大規模な汚職スキャンダルもあって政治家は極めて不人気だ。同国では1964~85年の軍事独裁政権時代、伝統的に風刺漫画を掲載していた新聞が厳しく取り締まられていた。(c)AFP