【6月22日 AFP】男子テニス、ゲリー・ウェバー・オープン(Gerry Weber Open 2018)は21日、シングルス2回戦が行われ、大会第1シードのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は2本のマッチポイントをしのいでブノワ・ペール(Benoit Paire、フランス)を6-3、3-6、7-6(9-7)で退け、準々決勝進出。通算10度目の大会制覇に望みをつないだ。

 世界ランク1位のフェデラーは、前週のメルセデス・カップ(MercedesCup 2018)で優勝し、今大会の1回戦でもトップシードとして堅実な勝利を飾るなど、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)での連覇に向けて順調な仕上がりをみせていた。しかしながら、この日の試合では最終セットのタイブレークで2本のマッチポイントをふいにしただけでなく、ペールに2度追い詰められる場面があった。

 3本目のマッチポイントでペールのリターンがアウトになり、ようやく勝利を手にしたフェデラーは、劇的な展開となった最終セットのタイブレークについて「正しい決断をしながらプレーする必要があった。多少の運も必要だったと思う」とすると、「レベルの高い厳しい試合だった。彼はサーブが好調でブレークすることが難しかった。ずっと厳しい試合だった。最後はかなりの接戦で、きょう自分が勝てたのは幸運だった」とコメントした。

 第1セットは2本連続のサービスエースで締めたフェデラーだったが、第2セットはペールのストロークがさえわたり、0-4のリードを奪われた。その後、一度はブレークバックに成功したものの、いつもの神がかり的なプレーを発揮することができず、セットカウント1-1で試合は互角の勝負となった。

 最後は2時間弱で勝利を収めたフェデラーは、これでペール戦では6戦全勝。対するペールは、試合中に悔しさのあまり怒りでラケットを芝にたたきつけ、観客からやじを飛ばされるという場面があった。

 36歳のフェデラーは、「チャンスは何度もつくり出せていたけれど、少し安定感を欠いたときもあった。第2セットのサーブは自分でもがっかりで、2度もブレークされてしまった。あのような展開は許してはならないことだし、しっかりと修正しないといけない。だけど、自分にとっては決して悪い試合ではなかった」と振り返った。

 この試合で敗れていれば、フェデラーはラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)に世界1位の座を明け渡してウィンブルドンに臨むことになっていたが、何とか黒星を逃れたことで、昨年から続いている得意のグラス(芝)コートでの連勝を18に伸ばした。

 これまで四大大会(グランドスラム)では通算20個のトロフィーを掲げているフェデラーは、今大会を制すればシングルス通算99勝目となり、同100勝目の可能性がある来月のウィンブルドンではこれまで合計8個のタイトルを獲得している。

 フェデラーが準決勝進出を懸けて対戦する次戦の相手は、第6シードのフィリップ・コールシュライバー(Philipp Kohlschreiber、ドイツ)を4-6、 6-1、6-2で撃破したマシュー・エブデン(Matthew Ebden、オーストラリア)に決まった。(c)AFP