【6月21日 AFP】米メディア・娯楽大手ウォルト・ディズニー(Walt Disney)は20日、米メディア大手21世紀フォックス(21st Century Fox)の主力事業買収案の金額を713億ドル(約7兆8700億円)に引き上げた。米ケーブルテレビ最大手コムキャスト(Comcast)が最近提示した額を上回る数字だ。

 買収対象には、「ザ・シンプソンズ(The Simpsons)」や「モダン・ファミリー(Modern Family)」といったテレビ番組を手掛ける制作会社や映画制作事業が含まれ、買収合戦の行方によってはメディア・娯楽業界で支配的企業が誕生する可能性がある。

 コムキャストは先週、フォックスに対し650億ドル(約7兆1800億円)の買収額を提示。一方のディズニーは最新の発表で、昨年12月に発表した520億ドル(約5兆7400億円)の株式交換に現金を追加することでフォックスと合意したことを明らかにした。ディズニーは、買収対象の資産価値が税制改革や経営改善により12月から上昇したと説明している。

 買収によって、ディズニーはオンライン動画配信サービスのフールー(Hulu)の企業支配権を握ることになる。フールーは、大手のネットフリックス(Netflix)やアマゾン・ドットコム(Amazon.com)に対抗するためメディア企業各社が立ち上げたサービスで、コムキャストとディズニーが株式をそれぞれ30%、米メディア・娯楽大手タイム・ワーナー(Time Warner)が10%を所有している。(c)AFP/Rob Lever, with John Biers in New York