【6月21日 AFP】ロシア連邦保安局(FSB)が、開催中のW杯(2018 World Cup)に出場する同国代表の候補だった選手のドーピングを隠蔽(いんぺい)したと、国家ぐるみのドーピングを告発したグリゴリー・ロドチェンコフ(Grigory Rodchenkov)氏がドイツメディアに対して明かした。

 ドイツ公共放送ARDは18日、反ドーピング検査所元所長のロドチェンコフ氏の話として、抗炎症性のデキサメタゾン(dexamethasone)の陽性反応が検出されたDFルスラン・カムボロフ(Ruslan Kambolov)の尿サンプルが、2015年6月にクリーンなサンプルと「確実に交換された」と報じた。

 ロドチェンコフ氏は自身の日記に、同年6月10日にFSBの職員が「マジシャンたち」とともに検査所を訪れて、サンプル交換を行ったと記していたという。この記述はARDの記者も確認している。

 ロドチェンコフ氏は「カムボロフは、ドーピングのケースと判断されていた。国際サッカー連盟(FIFA)はこれを認知している」と語った。

 FIFAの広報担当はAFPの取材に対し「特定の人物に関連する反ドーピングの可能性についてコメントは差し控える」と応じている。

 FIFAは、不正行為の「証拠が不十分」だったとして、ロシアのW杯代表候補選手に対するドーピングの調査を5月に終わらせていた。

 カムボロフはその後、同選手が所属するロシア・プレミアリーグのルビン・カザニ(FC Rubin Kazan)でのプレー中にふくらはぎを痛めたとして、本大会のメンバー登録から外されている。(c)AFP