【6月20日 AFP】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong Un)朝鮮労働党委員長が20日、3度目の中国訪問を終えた。

 AFP特派員は同日、北京の空港に到着した金氏のものと思われる車列を目撃した。

 金氏の今回の訪中は、歴史的な初の米朝首脳会談を終えたタイミングで、北朝鮮にとって主要な同盟国である中国に忠誠を示し、また米国との未知の外交領域へ踏み込む上で中国の利益を軽んじないことを改めて保証する狙いがあったとみられている。

 シンガポールで開催された米朝首脳会談の場に中国はいなかったが、現地入りする金氏に中国機を貸与することで、引き続き外交上の影響力を行使する姿勢を明示した。

 今回、金氏と中国の習近平(Xi Jinping)国家主席との会談の議題は明らかにされていないが、北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)によると、金氏は成功裏に終わった米朝首脳会談に対する中国の「積極的で誠実な大きな支援」に感謝を示したという。

 北朝鮮に対する国連(UN)制裁緩和の見通しについては、アナリストらは議題に上ったとみている。

 また韓国の聯合(Yonhap)ニュースによると金氏は20日、農業科学センターを見学したとみられる。

 中国国営の新華社(Xinhua)通信によると、習氏は金氏に「朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)が経済建設に重心を移すという大きな決断をし、DPRKの社会主義目標が歴史の新たな段階へ入ったことを目にし、わが国は非常に喜んでいる」と述べたという。(c)AFP/Becky Davis