■ロシアでは恒例行事?

 街の象徴の一つでもあるモスクワ大学(Moscow State University)本館の手前に設置されたファンゾーンは、現地のフリーペーパーで「ナンパゾーン」と言われるほどの場所になっている。記事によると、ブラジルのファンから頬にキスをされたフリーぺーパーの若い女性スタッフに対して、同僚は「いいじゃん。君をベッドに連れ込みたいらしいよ。他の子と同じようにね」と言ったそうだ。

 年配の人たちにとっては、こうした光景は冷戦時代のソ連で開催された1980年モスクワ五輪など、過去の国際イベントを思い起こさせるもののようで、先の共和党議員は、五輪の後にロシア人と外国人の間に生まれた子どもが増えた「悲しい実績」があると話している。

 エレーナ(Yelena)さんという51歳の女性は、1985年に開かれた「世界青年学生祭典(World Festival of Youth and Students)」で、ギオルゴス(Giorgos)という名のギリシャ人青年と恋に落ちたことを覚えている。

「2人とも19歳で、3日間一緒に過ごした後、彼は去っていった。何か月かは文通をしたわ。彼からの英語の手紙を、友人に翻訳してもらってね。だけどそれっきり。今は新しい技術があるし、もうソ連じゃないから、移動も楽でしょう。だからW杯で出会った若い人たちの中に、そのままくっつく子たちもいるんじゃないかしら」 (c)AFP/Anais LLOBET