【6月20日 AFP】男子テニス、フィーバーツリー選手権(Fever-Tree Championships 2018)は19日、シングルス1回戦が行われ、11か月ぶりに公式戦の舞台へ戻ってきたアンディ・マレー(Andy Murray、英国)は6-2、6-7(4-7)、5-7でニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)に敗れた。マレーは試合後、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)の出場はこの後の体にどんな反動が出るかを確認してから決めたいと話した。

 元世界ランキング1位のマレーは、臀部(でんぶ)の故障で昨シーズン後半戦を棒に振ると、今年1月には手術もして、世界ランキングは156位まで下降した。復帰を目指しては断念することを何回か繰り返した末の342日ぶりの復帰については、本人も自分にあまり期待はしていないと試合前から話していた。

 それでもウィンブルドンを2回制している31歳は、時折ショットや動きにブランクを感じさせる場面があったとはいえ、全体的には気持ちの入った前向きなプレーを見せた。

 しかしマレーは、試合中には腰に、試合後には足に張りを感じたと明かし、ウィンブルドンの5セットマッチに体が耐えられるかはまだ分からないと正直に話した。ウィンブルドンについては、今後数日で体がどのくらい回復するかをみてから判断したいという。

「明日の感触が関係してくる。朝起きて良くない状態だとしたら、それは5セットマッチに向けて最高の兆候とは言えない。仮にきょうの試合が5セットマッチだったとしたら、場合によってはあと1時間半、試合が続いたことになる。自分としては、それは厳しい」

「現時点では、あらゆる可能性を否定しない。ネーチャー・バレー・クラシック(2018 Nature Valley Classic)に出て、ウィンブルドンには出ないかもしれない。来週は公式戦に出ずにエキシビションか何かで試合勘を戻し、ウィンブルドンに備える可能性もある。今はまだ分からない。今後2、3日でどうなるか様子を見て、チームのスタッフと話をしたい。今はまだ、自分にとって何が最善か、はっきりしないからね」

 その一方でマレーは、長い離脱を経ての復帰だっただけに、冷静さを保つのが難しかったとも話している。そして、キリオスを倒せなかったことを悔しがりながら、完全復活への道のりはまだ始まったばかりだと認めた。

「きょうの練習の後は、すごく感情的になった。すごく久しぶりだったから。いろんな人にまた会えてうれしいと言われたよ。最後はあとちょっとだったけど、感情が高ぶりすぎたのが良くなかったのかもしれない」

「この大会に出場するというのはぎりぎりの判断だった。練習の負荷もまだそこまで高くない。だから、コートへ出てそれなりのプレーができたのは満足だ。けさは緊張した。どれだけやれるのか、自分でも分からなかったからね」

「もちろんもっとやれた部分はあるけど、悪くはなかったと思う。肉体的には絶好調という感じではなくて、最後はバテた。これだけ間が空いたことを考えると、良いテストだったと思う。腰は大丈夫そうに思えた。あまり痛まないことを願っている」 (c)AFP/Steven GRIFFITHS