【6月19日 AFP】オーストラリアの裁判所は19日、外部業者が修理した「iPhone(アイフォーン)」や「iPad(アイパッド)」の不具合への対応を拒否する際、消費者の権利について誤った説明を行ったとして、米アップル(Apple)に対し900万オーストラリアドル(約7億円)の罰金支払いを命じた。

 この問題では、基本ソフトをアップデートした際に端末の動作が停止するという、「エラー53」という名で世界的に知られるトラブルに遭遇したユーザーらが、競争消費者委員会(ACCC、公正取引委員会に相当)に苦情を申し立てた。その一方でアップルは、ユーザーらに外部の業者が修理を行った端末を改善する責任はないと伝えていたという。

 ACCCは昨年、不具合が起きた端末のユーザーに対し、同国の法律上、消費者の権利について誤った、もしくは誤解を招くような説明を行ったとして、連邦裁判所にアップルを提訴。

 ACCCのサラ・コート(Sarah Court)委員長は声明で「もし商品に不具合がある場合、オーストラリアの消費者保護法の下では、ユーザーは商品の修理または交換サービスを受け、場合によっては返金される権利を有する」と指摘。「裁判所は、iPhoneやiPadがアップル以外の業者によって修理されたということだけで、商品に対する保証が適用されなかったり、修理を受ける権利が失効したりすることはなく、また可能でもないと判断した」と説明した。

 アップルは2015年2月から2016年2月までの間に、少なくとも顧客275人に対し、ウェブサイトやアップルストアのスタッフ、および電話でのカスタマーサービスを通じて、誤解を招く説明をしていたと認めた。(c)AFP