【6月19日 AFP】フランス皇帝ナポレオン・ボナパルト(Napoleon Bonaparte)の所有物とされ、ワーテルローの戦い(Battle of Waterloo)で敗れた際に戦利品として敵の手に渡ったとみられる二角帽子が18日、フランス東部リヨン(Lyon)で競売に掛けられ、35万ユーロ(約4500万円)で落札された。死後200年近くがたったナポレオンに対する人気が冷めていないことを浮き彫りにした。

 落札価格は見込まれていた3万〜4万ユーロ(約400万〜500万円)を大幅に上回った。それでも4年前に競売に掛けられたナポレオンの別の二角帽子の落札額(190万ユーロ、当時の為替レートで約2億7000万円)には届かなかった。落札者の詳細は明らかになっていない。

 競売を行ったオークション会社エティエンヌ・ド・ベック(Etienne De Baecque)はAFPに対し「歴史上の記念品、特にナポレオンに由来するものにはある種の熱狂的人気がある」と指摘した。

 ナポレオンは最高権力者の地位にあった15年の間、二角帽子を約120個所有した。細かい特徴からこの帽子はその1つだとみられているが、ナポレオンの所有物であったことを示す決定的な証拠はない。それでもオランダの将校が1815年のワーテルローの戦いの戦利品として持ち帰って以降、所有者の分かる記録が確認されており、長い間ナポレオンのものとされてきた。

 ナポレオンは二角帽子を縦向きでなく横向きにかぶっていたため、戦場でどこにいるのか容易に見つけることができたという。(c)AFP