【6月18日 AFP】ロシア首都モスクワ中心部の赤の広場(Red Square)付近で16日、タクシーが歩行者らに突っ込み、少なくとも7人が負傷した。うち3人は翌17日も、病院で容体の回復を待った。

 ロシアでは来月15日までサッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)が開催されている。大会期間中、外国人観光客60万人以上の訪問が見込まれており、今回の事件で警備体制に注目が集まっている。

 当局は事件を起こしたタクシー運転手の身元を、キルギス国籍のアナルベク・チンギス(Anarbek Chingiz)容疑者(28)と特定。

 警察が公開した動画には、チンギス容疑者本人が、20時間連続勤務後であり、もう1人客を拾ってから帰宅して休むつもりだったと話す様子が映っている。

 在ロシアのメキシコ大使館は、16日に病院で手当てを受けていたメキシコ人女性2人と連絡を取ったとしている。またモスクワの保健当局者は、ウクライナ人1人も軽傷を負ったと明かした。

 モスクワには、キルギスなど中央アジアの貧しい旧ソ連邦共和国から低賃金の仕事を求め、数十万人が移住してきている。

 同域やロシアの北カフカス(North Caucasus)地方は、「イスラム国(IS)」をはじめとするイスラム過激派との関係が疑われる、多様な過激派組織の拠点となっている。

 モスクワ警察当局は今回の事件について、交通安全規則違反での捜査を開始しており、テロリストとのつながりの可能性はないとしている。(c)AFP/Dmitry ZAKS