【6月17日 AFP】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)初戦でアルゼンチンと1-1で引き分けたアイスランドのヘイミル・ハルグリムソン(Heimir Hallgrimsson)監督は17日、同国史上初となるW杯の試合は、どのようにリオネル・メッシ(Lionel Messi)を沈黙させるかを示す「教科書」のようだったと胸を張った。

 セルヒオ・アグエロ(Sergio Aguero)に先制点を許したアイスランドは、アルフレズ・フィンボガソン(Alfred Finnbogason)のゴールで同点とすると、後半には守護神のハネス・ハルドルソン(Hannes Halldorsson)がメッシのPKをセーブし、称賛に値する勝ち点1の獲得に成功した。

 チームが拠点を構える黒海沿岸のゲレンジーク(Gelendzhik)でハルグリムソン監督は、「ああいったチームを相手にするときにディフェンスを教える場合は、今回の90分はそのやり方を示す教科書になる」と報道陣に話した。

「信じられない個人技を持つアルゼンチンのようなチームを自由にさせないためには、スペースを消して1対1で正確に守らなければならない」

「メッシをはじめ相手を止めるのは選手一人ではなく、チームワークを集結させたものだ」

 アイスランドの主将アロン・エイナル・グンナルソン(Aron Einar Gunnarsson)は、「対戦するほかの相手と同様にメッシをリスペクトしなければならないが、彼を偶像化して傍観してしまえば、彼はそれを利用してかわしにかかるだろう。なのでいつもの自分たちのプレーをしなければならない」と話す。

 アイスランドの人口はこれまで本大会に出場した中で史上最少となる33万人だが、強豪国とも十分渡り合えることを力強く証明した。

 2016年の欧州選手権(UEFA Euro 2016)でクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)擁するポルトガルと引き分けたアイスランドは、同大会の準々決勝ではイングランドを敗退に追い込んでいる。

 アルゼンチンを相手に勝ち点を獲得したことで、ボルゴグラード(Volgograd)で行われるナイジェリアとの次戦を22日に控えるチームには「よりリラックスした雰囲気と安眠」がもたらされたとハルグリムソン監督は話す。

 一方グンナルソンは「勝ち点1は良い結果だということは分かっていたが、単に仕事をしたにすぎない。その結果にこだわることはできないし、自分たちが何かを得たなどと考えることもできない。ナイジェリア戦に集中しなければあの勝ち点は何の役にも立たない」 (c)AFP