【6月17日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で16日、イスラエル軍の小型無人機(ドローン)攻撃があり、発火物を取り付けた風船やたこをイスラエル側に飛ばそうとしていたパレスチナ人2人が負傷した。

 イスラエル軍の報道官は、同軍の「航空装置」がガザ地区からイスラエルに向けて発火装置をつるした「焼夷(しょうい)風船」を飛ばしていた集団を攻撃したと語った。

 一方、パレスチナ治安当局筋は、ガザ中部のブレイジ(Al-Bureij)難民キャンプ東方で小型無人機(ドローン)が人々を攻撃したと述べた。パレスチナ救急当局の広報担当、アシュラフ・クドラ(Ashraf al-Qudra)氏によると2人が負傷したという。

 イスラエル南部消防当局のイーライ・コーエン(Eli Cohen)報道官はAFPに対し、ガザ地区から境界フェンスを越えてイスラエル側に飛来した「燃える風船」や「火炎たこ」によって16日だけで約20件の火災が発生したと語った。ガザ地区のイスラエル境界付近で大規模な抗議デモが始まった3月30日以降に記録された火災は300件を超えるという。

 3月30日からこれまでに、パレスチナ側は130人以上がイスラエル軍の銃撃で死亡しているが、イスラエル側には死者は出ていない。

 こうした事態を受けて国連(UN)は13日に緊急総会を開き、10年以上にわたってイスラエルによる封鎖が続くガザ地区の住民に対するイスラエルの過剰な武力行使を非難する決議を採択した。(c)AFP