【6月17日 AFP】オーストリア政府は16日、ドイツの情報機関がオーストリア国内の政治家や国際機関、企業などを対象に組織的なスパイ活動を行っていたとする新たな疑惑について、ドイツに説明を求めた。

 16日付のオーストリアの日刊紙スタンダード(Standard)によると、ドイツの対外情報機関「連邦情報局(BND)」は1999年から2006年にかけて、オーストリア国内で活動する省庁や国際機関、大使館、企業などの2000の固定電話番号、携帯電話番号、ファクス番号、電子メールアドレスを含む多数の標的をスパイしたとされる。

 週刊誌プロフィール(Profil)も同様の内容を掲載した。

 BNDに狙われたとされる国際組織には、いずれもウィーンに本部を置く石油輸出国機構(OPEC)、欧州安保協力機構(OSCE)、国際原子力機関(IAEA)などがある。

 ドイツの情報機関を監督する議会監督委員会のアーミン・シュスター(Armin Schuster)委員長は、2紙が報じた疑惑が「新たなものか2015年に明らかにされた疑惑の一部なのか」を判断しなければならないと述べた。

 ドイツメディアは2015年、BNDが自らのため、また米国家安全保障局(NSA)のために、ドイツの同盟国や赤十字(Red Cross)をはじめとするさまざまな組織を組織的にスパイしていたと報じていた。(c)AFP