【6月17日 AFP】トルコ南部のシリア国境に近い町スルチ(Suruc)で今月14日に与党議員の選挙運動中に衝突が発生し4人が死亡した事件で、警察は16日に19人を拘束した。トルコメディアが報じた。

 報道によると、事件は14日、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領率いるイスラム系与党・公正発展党(AKP)の国会議員、ハリル・ユルドゥズ(Halil Yildiz)氏が、クルド系住民が大半を占めるスルチで小規模事業者らと面談した際に発生した。

 トルコのアナトリア通信(Anadolu)は、クルド系野党・国民民主主義党(HDP)の候補者を含む19人が拘束されたと伝えた。

 事件の状況をめぐっては相反する情報が報じられているが、政府系メディアは、ユルドゥズ議員とその支持者が、ナイフと棒を持った反対勢力に襲撃されたとしている。報道によれば、ユルドゥズ議員本人は避難して無事だった。被害者らの身元は明らかになっていない。

 アナトリア通信は、事件は公正発展党に対する攻撃で、死者にはユルドゥズ議員の兄弟も含まれていたと伝えた。

 エルドアン大統領は事件について、国民民主主義党と同国で非合法とされている反政府武装組織「クルド労働者党(PKK)」に責任があるとしている。

 トルコでは今月24日、大統領選挙と議会選挙が実施される予定で、エルドアン大統領は自身の再選と与党の圧勝を目指している。(c)AFP