【6月17日 AFP】ラグビーテストマッチが16日に行われ、ニュージーランドは26-13でフランスに勝利した。しかし、チームを率いるスティーブ・ハンセン(Steve Hansen)ヘッドコーチ(HC)は、序盤で相手に退場者が出たことで今回の勝利は「素直に喜べない」と話し、ルールの改定を訴えている。

 この試合では前半12分、フランスのバンジャマン・フォール(Benjamin Fall)とニュージーランドのボーデン・バレット(Beauden Barrett)が空中で交錯すると、バレットは頭からフィールドに落ちて脳振とうを起こし、フォールには退場が宣告された。前半はそのまま数的有利を生かしたニュージーランドが21-6とリードして終えた。

 フランスも後半は勇敢に反撃したが、ゴールラインを2回越えながらもトライを決められず、番狂わせを起こすことはできなかった。フランスは1戦目でも、イエローカードがたたって11-52の大敗を喫していた。

 ハンセンHCは、トライ数で4対1と上回り、フランスとのテストマッチ3連戦の勝ち越しを2戦目で決めたことに喜びつつも、幸運も手伝っての勝利にいら立った様子を見せ、意図的なファウルでない場合はフィールドに残れるようなカードのシステムにしてもいいのではないかと呼びかけた。

「誰かがレッドカードを受けるのはいつだって残念なものだ。特に、それが意図的には思えない違反の場合はね。あれは反則で、彼は間違ったことをした。だから審判はレッドカードを出さざるを得なかった。それがルールだからだ。しかし、それでは試合が台無しになる」

「(フォールは)ボールをつかもうとしていて、そこにバレットが高くジャンプして乗りかかる形になり、ああいったことが起こった。彼にバレットを傷つける意図はまったくなかったと思うし、意図的でないものはグレーゾーンになる。ラグビーは白黒つけられることばかりじゃない」 (c)AFP/Chris FOLEY