【6月16日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が先週の先進7か国(G7)首脳会議(サミット)で安倍晋三(Shinzo Abe)首相に対し、自分が日本に2500万人のメキシコ人を送り込んだら退陣は近いと発言していたことが分かった。米メディアが15日に報じた。トランプ大統領は他国の首脳陣に不快感を与える発言を連発し、G7は険悪な雰囲気の中で閉幕した。

 G7は、トランプ大統領が首脳宣言の採択を唐突に拒否し、開催国カナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相を痛烈に批判したことを受け、混乱のうちに終了した。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)は同席していた欧州の関係者の発言を引用し、舞台裏を報じている。報道内容によれば、トランプ大統領は、貿易問題やテロ、移民問題が話題に上ると、他国の首脳に皮肉や非難を浴びせた。

 欧州連合(EU)の職員によれば、トランプ大統領は欧州にとって深刻な問題となっている移民問題に言及した際、安倍首相に対し「晋三、君はこの問題を抱えていないが、私なら日本に2500万人のメキシコ人を送り出すことができる。そうすれば君はあっという間に退陣することになる」と語った。

 さらに、イランやテロが議論になると、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領に矛先を向け、「君ならこの問題についてよく知っているに違いない。すべてのテロリストはパリにいるからな」と発言したという。(c)AFP