【6月16日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は15日、数百億ドル(数兆円)相当の中国製品を対象とした25%の関税を発動すると発表した。中国は直ちに報復措置を発表。米中間の貿易戦争が始まった。

 トランプ大統領は声明で、「これらの関税は、米国の技術と知的財産権が中国に不当に移転される事態が続かないために必須であり、米国人の雇用を守る措置だ」と主張。中国が米国の財・サービス輸出に報復関税をかける場合には「追加関税」を導入すると警告した。

 トランプ大統領は今年3月、中国に対し計500億ドル(約5兆5000億円)規模の関税措置を科すと表明。15日の声明でもこの金額を繰り返したが、少なくとも初回の措置の規模はこの額には達しない予定だ。

 米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー(Robert Lighthizer)代表によると、米国は7月6日から340億ドル(約3兆8000億円)相当の中国製品818品目に懲罰的関税を導入。さらに第2弾として、160億ドル(約1兆8000億円)相当の製品群を後日の関税措置の対象として検討するとした。3月の発表で対象となっていた約500品目は、輸入に依存する米企業の要望を受けて除外された。

 中国政府は、米国による関税措置を「時代遅れで後進的な行動」と批判。500億ドル相当の米製品に25%の報復関税を課すと発表した。(c)AFP/Douglas Gillison