【6月15日 AFP】サッカースペイン代表主将のセルヒオ・ラモス(Sergio Ramos)とフェルナンド・イエロ(Fernando Hierro)新監督が、クリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)擁するポルトガルとのW杯ロシア大会(2018 World Cup)初戦を前にチームは団結していると語った。

 15日に行われるポルトガルとのグループBの初戦を前に、決戦の場となるフィシュト五輪スタジアム(Fisht Olympic Stadium)で開かれた記者会見に臨んだイエロ監督とラモスは、共にカメラに向かって笑顔を送った。

 フレン・ロペテギ(Julen Lopetegui)前監督の下で2年間にわたり無敗を維持し、優勝候補の一角としてロシア入りしたスペイン代表だったが、13日にロペテギ前監督が大会後にレアル・マドリード(Real Madrid)の指揮官に就任することが発表されると、スペインサッカー連盟(RFEF)は電撃的な解任を決めた。

 これを受け、指導者としての経験に乏しいイエロ新監督が急きょ、W杯制覇を目指すスペインの新監督に就任した。現役時代はDFとしてレアルとスペイン代表で活躍した指揮官について、ラモスは「フェルナンドほどの適任はいない。彼は偉大な選手だったし、私たちのことを昔から知っている」と話した。

 ロペテギ前監督のレアル入りにより、同クラブとFCバルセロナ(FC Barcelona)の選手が混在するW杯のスペイン代表内で分裂が生じるのではないかと不安視する声も上がっているが、キャプテンのラモスは今回の一件で選手間の関係にひびが入ったりはしていないと強調した上で、大会に集中し、ここから前進していくという熱意を示している。

 ラモスは「ひびは入っていない。私たちは皆異なる人間だし、考え方は人それぞれだが、W杯のためにここにいるという、共通の認識を持っている。今回は特別だ。キャプテンとして臨む初めてのW杯だからね。サッカーでは悪い時間を通して特に学びを得るもの。今回起きたことは私たちを団結させた」と述べ、実際にスタジアムで行われた練習でも、選手たちの間では笑顔や抱擁が多く見られた。

 一方、監督としての経験はスペイン2部リーグのレアル・オビエド(Real Oviedo)を1シーズン率いたのみとなっているイエロ新監督は、「間違いなく良い状態でこの試合に入っていける。自分たちがやりたいことは明確になっている。チャンピオン(ポルトガル)を尊敬しているが、選手、そして彼らが過去2年で成し遂げてきたことに絶大な自信を持っている」と話し、劇的な変更は加えないと明かしている。(c)AFP/Andy SCOTT