【6月15日 AFP】サッカースペイン代表監督を解任されたフレン・ロペテギ(Julen Lopetegui)氏が14日、決定を受けて「母の死以降では人生で最も悲しい日になった」と語った。その一方で、同国1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)の監督就任は「間違いなく誠実なやり方」でなされたと述べ、今回の動きを擁護する発言を残した。

 ロペテギ氏が来季から3シーズンにわたりチームの指揮を執るとレアルが発表したことを受け、スペインサッカー連盟(RFEF)は13日に同氏を解任。W杯ロシア大会(2018 World Cup)に臨むスペイン代表に激震が走った。15日にポルトガルとのグループ初戦を控えていた選手たちは、今回の解任の決断に反発したと伝えられている。

 この日、新天地サンチャゴ・ベルナベウ(Santiago Bernabeu Stadium)でレアルの新監督として正式にお披露目されたロペテギ氏は、RFEFのルイス・ルビアレス(Luis Rubiales)会長には「違ったやり方で対処」してほしかったとした上で、「昨日は、母の死以降では人生で最も悲しい日になった。でも、きょうは人生で最も幸せな一日だ」「われわれは間違いなく誠実かつ明快なやり方でふるまったと確信している」と、涙をこらえながら話した。

 RFEFのルビアレス会長は、レアル側から正式発表の「5分」前まで連盟に通達はなかったと述べているが、レアルのフロレンティノ・ペレス(Florentino Perez)会長は、ロペテギ氏が同クラブと契約を結んだことに対する連盟の反応は「不適切かつ不当なもので、同様のケースはサッカー界でも前例がない」などと批判している。

 すでにRFEFは、緊急の後任としてフェルナンド・イエロ(Fernando Hierro)氏をW杯スペイン代表の指揮官に任命している。現在50歳のイエロ氏は、同国2部リーグのレアル・オビエド(Real Oviedo)を1シーズン率いた以外、監督としての経験はないが、連盟でスポーティング・ディレクター(SD)を務めていた実績もあり、選手からの信頼は厚い。

 それでも、レアルがロペテギ氏を新監督に任命したことで、ライバル同士のレアルとFCバルセロナ(FC Barcelona)の選手が混在するW杯のスペイン代表内で、分裂が生じるのではないかと不安視する声も上がっている。(c)AFP/Adrien VICENTE