【6月15日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の目の前で、北朝鮮の将軍に敬礼する動画が公開され、トランプ大統領が非難されている。

 この動画は今週、トランプ大統領が金委員長との首脳会談のためにシンガポールを訪問した際に撮影されたもので、北朝鮮の国営テレビが14日に放送した。

 動画の中で金委員長はトランプ大統領に北朝鮮の将軍を紹介し、トランプ氏は握手しようと手を差し出した。しかし将軍はトランプ氏に敬礼した。少し気まずい雰囲気の中、トランプ氏はその将軍に短い敬礼を返した。

 反トランプ派はこれまでもトランプ大統領は著しい人権侵害で非難されている金委員長とその独裁政権に配慮しすぎていると非難してきたが、この動画は反トランプ派の一部を仰天させた。

 クリス・バンホーレン(Chris Van Hollen)上院議員(民主党)はツイッター(Twitter)に「案の定、北朝鮮はわが国の大統領をプロパガンダに利用してきた」と投稿した。「トランプがカナダにいるわが国の仲間を不当に扱った後に北朝鮮の将軍に敬礼して金(正恩氏)を礼賛するのを見るとむかつく」

 サラ・サンダース(Sarah Sanders)大統領報道官は「他国政府の軍将校が敬礼してきたら答礼する。それが礼儀だ」と述べ、トランプ大統領は礼儀を果たしたに過ぎないと主張した。

 バラク・オバマ(Barack Obama)前大統領も2009年、天皇陛下にお辞儀をしたことに共和党から激しい非難を浴びたことがある。(c)AFP