【6月15日 AFP】米ニューヨーク州の司法当局は14日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領一族の慈善団体「ドナルド・J・トランプ財団(Donald J. Trump Foundation)」が「度重なる違法行為」に及んだとして、トランプ氏と3人の子どもらを相手取り、同財団の解散などを求める民事訴訟を起こした。

 ホワイトハウス(White House)はすでに、トランプ大統領と不倫関係にあったと主張する女性2人による訴訟や、米大統領選でのトランプ陣営とロシアの共謀疑惑をめぐる捜査に直面しており、トランプ氏の72歳の誕生日に起こされたこの訴訟は、政権にとって新たな法的問題となる。

 ニューヨーク州司法当局は、不動産王から大統領に転身したトランプ氏が、財団の慈善金を自身の法的費用の支払いやホテルの宣伝に充てたと主張。また、慈善目的と称して購入した自身の肖像画を、所有するゴルフクラブに飾るなど、個人的支出にも流用したとしている。

 同当局はさらに、トランプ氏がテレビ放送された2016年1月28日の資金調達イベントで、財団を通じて280万ドル(約3億1000万円)の選挙資金を違法に集めたとも指摘している。トランプ氏は当時、共和党の予備選討論会を欠席し、代わりにこのイベントを行っていた。

 同当局は280万ドルの返還や数百万ドルの罰金の支払い、さらにはトランプ財団に対する解散命令を求めているが、この民事訴訟が刑事訴訟に発展する可能性や、大統領の弾劾を正当化する根拠となる可能性は低い。

 トランプ大統領はツイッター(Twitter)で直ちに反応し、訴訟は「ばかげた」ものであるとして、法廷で争う構えを示した。(c)AFP