【6月14日 AFP】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)の現地観戦を防ぐため、英当局は1000人以上のイングランドのフーリガンに旅券を提出させたことが明らかになった。イングランドとロシアのファンは、2016年の欧州選手権(UEFA Euro 2016)で衝突したため、英国政府はアクシデントの再発を防ぐ措置を講じた。

 英国政府は13日、内務省のサッカー禁止命令を管轄する当局が、先週1312人に旅券を警察に提出するよう命じたと明かした。この日の発表によると、イングランドとウェールズの1254人が旅券の提出に応じたという。14日開幕の今大会には、約1万人のイングランドファンがロシア入りするものとみられている。

「この数字(1254人)は、現時点でサッカー禁止命令の影響下にある旅券保有者の96パーセントにあたる。警察は大会期間中、旅券未提出者を根絶するために尽力し続ける」

 当局は、イングランドがグループリーグを突破してもしなくても、W杯の決勝戦が行われる7月15日まで旅券を保管することになる。

 サッカーに絡んだ逮捕者は、2000年にサッカー禁止命令が導入されて以降、減少の一途をたどっている。サッカー禁止命令は裁判所により言い渡され、最長10年間効力を持つ。禁止命令に違反した場合は刑法違反となり、最大で罰金5000ポンド(約74万円)と禁錮6月が科される。

 禁止命令に加え、身元が分かっているフーリガンのロシア渡航を阻むため、開幕前から英国内の主要空港には警察官が配備されている。警察官は騒動に加担する可能性のある人物を特定し、ロシア渡航を禁止することができる。

 フランスで開催された2年前の欧州選手権でロシアとイングランドのファンは、同国南部マルセイユ(Marseille)の港湾区域で乱闘騒ぎを起こしている。(c)AFP