【6月14日 時事通信社】「二人の指導者、一つの運命」。12日の米朝首脳会談後に開かれたトランプ米大統領記者会見の冒頭では、4分間にわたるビデオ映像が放映された。金正恩朝鮮労働党委員長にも見せたという映像は、高層ビルや高速鉄道など経済的繁栄の象徴をアピールする一方で、破壊された建物など困窮する社会も描写。完全な非核化を進めて経済発展を遂げるか、国際制裁下で貧しい生活を続けるかの二者択一を迫った。

 ハリウッド映画の予告編を思わせる米側作製の映像は、韓国語と英語で2度流された。冒頭、「人類70億人が住む地球。その中のほんの一握りの人間だけが歴史の流れを形づくる」とのナレーションから始まった。

 大都市の風景や笑顔の北朝鮮国民が映された後、唐突に背景音楽が止まり、画面は白黒に切り替わる。「結末は二つしかない。一つは後退」。ナレーションに続き、空爆で破壊されたとみられる建物や発射台から上昇するミサイル、商品のないガラガラの商店、韓国側と比べて明かり一つない夜間の北朝鮮を写した衛星写真、爆音をとどろかせて飛ぶ戦闘機が映される。

 「もう一つは前進。新たな世界がきょう始まる」の声で音楽が再開。空中を飛ぶミサイルは発射台に巻き戻され、暗闇だった北朝鮮全土にこうこうとした明かりがともる。そして映し出される株式市場、荷物を運ぶドローン、自動車工場。映像は「未来はこれからつづられる」と結ばれる。

 トランプ氏は会談の終盤にこの映像を正恩氏ら北朝鮮代表団に見せたといい、「(正恩氏は)いたく気に入ったようだった」と記者会見で自賛。その上で「これを現実の未来にすることができる」と述べ、非核化実現後には北朝鮮に大規模な経済支援・投資を行う意欲をのぞかせた。(c)時事通信社