【6月18日 東方新報】中国人の王さんは、「結婚や、子どもの満1か月のお祝いに、ご祝儀を包んだりするのは仕方がないが、第2子ができれば、またご祝儀が必要になってくる。今月の給料の半分はご祝儀で消えてしまった」と不満げだ。

 王さんの身辺では近頃、何通もの招待状が飛び交っていて、特に両親のうち一方が一人っ子の場合に第2子を産むことができる「単独二孩」政策が推進されるにつれ、第2子の満1か月に行われる祝いの宴会が、王さんの財布を苦しめるようになってきた。

 本来ならば、真心をこめて祝福しなければならないが、事情はかなり違っているようだ。民俗学の専門家は、「時代が発展するにつれ、満1か月の子どもを祝福する伝統は受け継ぎながらも、新しい習慣を生みだしていこう」とアドバイスしている。

■1か月で3人分のご祝儀も 財布が悲鳴

 中国で、「80後」と呼ばれる1980年代生まれの王さんが大まかに計算したところ、2年前の祝儀の相場はおよそ2万元(約34万円)だった。

 王さんは、「私は普通の会社員なので、ご祝儀の金額は、相手との関係や自分の経済状況を見て考慮している。結婚や出産は、本来喜ばしいことなので、真心のこもった祝福をすべきだが、祝儀は、ほんの気持ちだけで十分だと思う」と話す。

 しかし、第2子の満1か月の招待状が一気に押し寄せてくると、財布が持ちこたえられなくなるという。

 王さんは、5月からすでに3回も、知人たちの第2子の満1か月のご祝儀を贈った。「誰もが、第2子の満1か月を祝う招待状を送ってくるわけではない。親しい人たちだけで食事をして、お祝いをする家もある。現在は、第1子の満1か月のお祝いさえやらない人もいる。友人としてご祝儀のための出費の多さを理解できるので、子どもにちょっとしたプレゼントをして、お祝いの気持ちを伝えるだけでいいという人もいる」

 王さんは、「自分にはまだ子どもがいないが、もし一人目や二人目の子どもができても、盛大な宴会をするつもりはない。たとえ友人にご馳走したとしても、ご祝儀はいらない」と話した。

 第2子の満1か月のお祝いで頭を悩ますのは、王さん一人に限ったことではない。あるインターネットユーザーは、「『単独二孩』政策が広まっていくにつれ、最大の悩みは、一人の子どもに対して、必ず1回は満1か月のお祝いの宴会があることだ」。また、別のユーザーは「祝福なのだが、一部の人にとっては、単に金もうけの手段になっている」と不満を口にしている。