【6月14日 AFP】ロシアの下院議員が13日、同国の女性たちに対し、サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)を観戦しに訪れたファンと寝て、異人種間の子どものシングルマザーにならないようにと呼び掛けた。

 家族や女性、子どもに関する下院委員会の委員長を務めるタマラ・プレトニョーワ(Tamara Pletneva)共産党議員(70)は、同国のラジオ「ガバリート・モスクバ(Govorit Moskva)」で女性たちに、W杯に訪れたファンと交際して妊娠することがないようにと求めた。さらに1980年のモスクワ夏季五輪時の状況を引き合いに出し、当時、一部の地元女性が外国人と関係を持ち、妊娠した例があると言及した。

 W杯がウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の重要目標である出生率の上昇を実現するとしたらとの質問には、「私たち自身の子どもを産むべきだ」と返答。また、異なる人種間に生まれた子どもは片親に育てられやすいと警告した。

 同議員の発言は批判と冷笑を招いており、ラジオパーソナリティーのタチアナ・フェルゲンハウエル(Tatyana Felgenhauer)さんはツイッター(Twitter)で、国際サッカー連盟(FIFA)が長らく行っている反人種差別キャンペーンに言及し、「プレトニョーワ氏が『Say No to Racism(人種差別にNOと言おう)』を思い出したら、何と言うだろうか」と投稿した。

 同議員は以前、ロシアで一時的に広まったセクハラ告発運動「#MeToo(私も)」を批判したこともある。(c)AFP