【6月14日 CNS】中国・安徽省(Anhui)公安庁は11日、2017年に同省で約2000件の麻薬犯罪を摘発、3000人の容疑者を逮捕したと発表した。その中には、海外に15年間逃亡していた重要指名手配犯一人と公安部B級指名手配犯一人が含まれていた。押収された麻薬・覚せい剤は約200キロに上った。

 同公安庁麻薬取締隊の劉家宏政治委員によると、2017年の逮捕者は1万5000人に上り、強制隔離治療所に送致された者が約4000人、地域のコミュニティーで中毒治療を行った者が約3000人、リハビリを行った者が約1000人だった。

 劉政治委員は、「麻薬犯罪組織の活動は依然として収束はしていない。安徽省ではやや安定はしてきてはいるものの、国内外の複雑な情勢の影響を受け、常に新しい問題が出現しており、安徽省の麻薬取締は大きな影響を受けている」と言う。

 2017年末の時点で、安徽省には麻薬常習者が約4万人いる。中毒者の再犯率が高く、流動性が高いことなどにより、取り締まりは厳しくなっている。

 また、麻薬マーケットと麻薬ビジネスの利益率の高さが、麻薬犯罪をますますヒートアップさせている。麻薬は、中国の西南、華南、東部沿海の各地区から安徽省に入ってくるほか、西北、中部両地区も新たな麻薬の発生源となっている。海外製の麻薬も流入してきており、取り締まりの難しさは増すばかりだという。

 安徽省の警察は昨年6月21日、広東省(Guangdong)東莞市(Dongguang)警察と共同で、3か月かけて公安部指定事件「2017-302号」を解決している。容疑者23人を逮捕、麻薬常習者45人を収監したほか、覚せい剤「メタンフェタミン」5キログラムと麻薬資金30万元(約520万円)を押収。広東省東莞市から安徽省淮南市(Huainan)に至る省をまたぐ麻薬輸送ルートを断ち切った。

 劉政治委員は、「安徽省は今年、ほかの省をまたいだ共同作戦を展開する。麻薬の原料から製造器具、工程のそれぞれの各段階を破壊し、事件ごとにしっかりと根底まで取り締まり、省内の麻薬犯罪を撲滅する」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News