【6月14日 AFP】スペインサッカー連盟(RFEF)は13日、同国代表のフレン・ロペテギ(Julen Lopetegui)監督を解任し、新指揮官にフェルナンド・イエロ(Fernando Hierro)氏が就任すると発表した。W杯ロシア大会(2018 World Cup)初戦をわずか2日後に控え、同国に激震が走っている。

 スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)が12日、ジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)前監督の後任としてロペテギ監督がW杯後から指揮官に就くとする驚きの発表をしたことを受け、同国の連盟とファンからは今回の決定のタイミングに怒りの声が上がっていた。

 これまで連盟のスポーティング・ディレクター(SD)を務めていたイエロ氏はこの日、RFEFのルイス・ルビアレス(Luis Rubiales)会長が同席した記者会見で「感傷に浸っている暇はない。目的はW杯制覇へ向けて戦うことであり、選手は2年の間、この時のために準備をしてきた」「素晴らしい、エキサイティングな挑戦が待っているし、今回の一件で夢の実現から気が散るようなことがあってはならないと選手に伝えた」と語った。

 また、ロペテギ監督の解任をめぐってはスペインの選手から反発もあったと伝えられているが、ルビアレス会長は「交渉は正当なものだったが、正式発表の5分前までRFEFに事前の通達はなかった。何事にも筋というものがあるというメッセージを、連盟で働く全ての人に発する必要性がある」とコメントしている。

 一方、先月に2020年までの新契約を結んだばかりだったロペテギ監督は、代表のベースキャンプ地であるクラスノダール(Krasnodar)を離れる前に報道陣に対して「非常に悲しいが、われわれは素晴らしいチームであり、W杯で優勝することを願っている」と言葉を残した。

 ロペテギ監督の解任決定から数時間後に、緊急で後任に就任することが決まった50歳のイエロ氏は、過去にスペイン2部リーグのレアル・オビエド(Real Oviedo)を1シーズン率いた以外、監督としての経験はない。

 W杯でグループBに入っているスペインは、15日のチーム初戦で欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)王者のポルトガルと対戦した後、イラン、モロッコと顔を合わせる。(c)AFP/Gabriel RUBIO GIRON