【6月13日 AFP】イラクのイスラム教シーア派(Shiite)指導者、ムクタダ・サドル(Moqtada al-Sadr)師は12日、連立政権の樹立に向けて、親イランを掲げるハディ・アメリ(Hadi al-Ameri)氏との政治同盟を発表した。アメリ氏との提携により、サドル師はイラク議会(定数329)で過半数の獲得に近づいた。

 5月12日に行われたイラク連邦議会選でサドル師の政治勢力は第1党に、アメリ氏の勢力は第2党になっていた。サドル師はイラクへのイランの関与に真っ向から反対してきており、アメリ氏および同氏が率いる親イラン派民兵から成る政党との連立に消極的な姿勢を見せていたことから、今回の発表は政治に関わる大半の人にとって予想外の展開となった。

 シーア派の聖地ナジャフ(Najaf)でアメリ氏と共同記者会見を開いたサドル師は「一切の教条主義から距離を置いた中央政府の設立を急ぐための真の同盟」が成立したと述べた。米主導のイラク進攻に対して2度の蜂起を率いた元民兵組織指導者のサドル師は、イラクはイラン・米両国からより自由になるべきだと主張している。(c)AFP