【6月13日 AFP】スウェーデン検察は12日、ノーベル文学賞(Nobel Prize in Literature)の選考機関スウェーデン・アカデミー(Swedish Academy)に深刻な内部亀裂を生んだスキャンダルの中心人物でフランス人のジャンクロード・アルノー(Jean-Claude Arnault)容疑者(71)をレイプの疑いで訴追したと発表した。

 アルノー容疑者は、アカデミー会員で女性詩人のカタリーナ・フロステンソン(Katarina Frostenson)氏の夫で、2011年にストックホルムで女性を2度レイプした疑いが持たれている。アルノー容疑者は容疑を否認している。

 アルノー容疑者をめぐっては女性18人に対する性的暴行が明るみになっている。セクハラ告発運動「#MeToo(私も)」を受けて、スウェーデンの日刊紙ダーゲンス・ニュヘテル(Dagens Nyheter)は昨年11月、アルノー容疑者からレイプや性的暴行、セクハラを受けたと主張する女性18人の証言を報じた。スウェーデン・アカデミーはアルノー容疑者および同容疑者の文化会館とのつながりをすべて断った。スウェーデン・アカデミーはこの文化会館に長年にわたって助成金を出していた。

 アカデミー内部ではセクハラ問題への対処法をめぐり18人の会員の間で深刻な意見対立が生じ、6人が辞任した。アカデミーの規則で新会員選出に必要と定められている会員数も下回り、由緒あるアカデミーは混乱に陥っている。この事態を受けてアカデミーは5月、今年のノーベル文学賞の決定と発表を来年の受賞者の選考と同時に行う方針だと明らかにした。(c)AFP