【6月12日 AFP】フランス北西部ブルターニュ(Brittany)地方のプロエルメル(Ploermel)で11日、ローマ法王の故ヨハネ・パウロ2世(John Paul II)の銅像が広場から撤去され、約30メートル離れた私有地に移設された。

 重さ13トンのこの像をめぐっては設置場所が公共の広場だったため、世俗主義者たちから批判の声が上がっており、裁判所も政教分離を定めたフランスの法律に違反するとして撤去を求めていた。

 プロエルメル教区のクリストフ・ゲガン(Christophe Guegan)司祭は移設について、「フランスの法律を順守し、世俗主義を尊重した結果」だと述べ、「町に平和が訪れる」ことを望むと語った。

 銅像はロシアの芸術家が制作し、2006年に現在の場所に設置。しかし、非営利団体の「自由思想連盟(National Federation for Free Thought)」と地元住民2人が設置は違法だとして提訴した。

 行政裁判所の終審にあたる国務院は昨年10月、像の十字架について、公共の記念碑などに宗教的なシンボルを掲示することを禁じた1905年制定の世俗法に違反するとの判断を下した。

 私有地に移設される理由は、これによって理論的に世俗法違反を免れることができるからだという。(c)AFP