【6月11日 AFP】ペルー北部の沿岸部で5月上旬、クリストファー・コロンブス(Christopher Columbus)の米大陸到着以前に栄えたチムー王国での儀式でいけにえにされたとみられる子どもの遺骨50体あまりが見つかった。考古学者のグループが発見した。

 遺骨が見つかった場所の近くではこれまでにも、約550年前のものとみられる、子ども140体のいけにえの痕跡が発見されている。だが、今回の発見はこれを上回る規模になる可能性があるという。

 考古学者ガブリエル・プリエト(Gabriel Prieto)氏はAFPの取材に「これまでに、チムー王国でいけにえにされた子どもの遺体を56体見つけた」と説明。「私たちが以前、ウアンチャキート(Huanchaquito)で発見した数の倍以上の遺骨が今回の場所では見つかるだろう」と続けた。

 今回、新たに遺骨が見つかった場所は、ペルー第3の都市トルヒーヨ(Trujillo)の沿岸部にあたるワンチャコ(Huanchaco)のパマパ・ラ・クルス(Pamapa La Cruz)。

 プリエト氏によると、6歳から14歳とみられる子どもらの遺骨は、木綿の布で覆われ、海の方に向けられて埋葬されていたという。

「注目すべきは、これらの遺骨にはワンチャキートで見つかった遺骨と同じように、胸骨への切り込みで肋骨が開けられていた点だ。これは、チムー文化の時代、ワンチャコでは子どもを数多くいけにえにしていたとの考えを補強するものだ」とプリエト氏は指摘している。

 映像は、ワンチャコで発掘作業に取り組む考古学者ら。8日撮影。(c)AFP