■ストリップクラブやラブドールホテルは経済効果を期待

「勾留される危険を避け、自分たちの暮らしや健康、安全、そして時には評判を守るために、セックスワーカーたちは都市から離れるでしょう。大規模なイベントが行われている街には、とてもじゃないけど、いられませんから」

 一方、AFPの取材に応じたストリップクラブや最近オープンしたばかりのラブドール専門の売春宿などの合法的な性産業で働く人々は、近年打撃を受けてきたこの業界がサッカーW杯によって潤うことを期待している。

 モスクワ中心部のストリップクラブ「ゴールデンガールズ」のオーナー、ラッキー・リー(Lucky Lee)さんは、「繁盛してほしい。少なくともいつもの2倍から3倍は」と語った。同店では、W杯を前に外国人客へのアピール力を高めようと、ダンサーたちに英語のレッスンも行ってきた。

 リーさんは、ロシアによる2014年のクリミア(Crimea)併合に対して欧米から科された経済制裁の話題に触れ、「うちのキャバレーも最近の経済危機で青息吐息だ」と話した。ストリッパーの以前の月給は5000~1万ドル(約55万~110万円)程度だったが、今は2000~5000ドル(約22万~55万円)ほどまで下がっているという。

 スペイン発のラブドール専用売春宿「ルミドールズ(Lumidolls)」のロシア第1号店を5月に開業したドミトリー・アレクサンドロフ(Dmitry Alexandrov)さんも、W杯でのビジネス拡大を期待している。

 1時間5000ルーブル(約8000円)で等身大のラブドールと過ごすことができるこのホテルでは、客が選んだラブドールに各国代表チームのユニホームを着せるオプションを用意している。(c)AFP/Theo MERZ