【6月10日 AFP】米フロリダ州が1年半以上にわたり、銃を隠して携帯する許可申請数千件について、申請者の身元調査を実施しておらず、犯罪者に銃を所持する法的権利を事実上、与えていた可能性があることが明らかになった。

 地元紙タンパベイ・タイムズ(Tampa Bay Times)の報道によると、許可を出しているフロリダ州農務省の監察官が実施した調査で、同州は2016年2月から2017年3月にかけて、連邦捜査局(FBI)の犯罪データベースを使用するのをやめていたことが発覚した。職員がデータベースのログインに必要なパスワードを忘れたのが原因だという。

 データベースが使用されなかった13か月間には、同州オーランド(Orlando)で50人が死亡した銃乱射事件などが発生しているが、フロリダ州によると、この期間中、銃を隠して携帯する許可申請の件数は「かつてないほど急増」した。

 申請件数は2015年6月までの1年間の13万4000件から、2年後には27万5000件に増加した。

 監察官によると、パスワードを忘れた職員は別の職員にこの問題を知らせたものの、問題を解決しようとはしなかったという。この職員はその後、解雇された。

 フロリダ州のアダム・パットナム(Adam Putnam)農務長官は8日夜、声明を出し、問題の13か月間に出された申請書に関する身元調査は、最終的にすべて実施されたと発表。そのうち365件の申請については、犯罪データベースに照会するのは女性職員の責任だったが、この職員は責任を果たさなかったとし、再調査の結果、291件の許可が取り消されたという。(c)AFP