【6月11日 AFP】10日に行われた全仏オープンテニス(French Open 2018)の男子シングルス決勝で、大会第1シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)に敗れて自身初の四大大会(グランドスラム)制覇を逃した第7シードのドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)が、子どもの頃にテレビでナダルを見ていたときの方が疲れない分だけ良かったと冗談めかしつつ、全仏通算11勝目を挙げたナダルの「異例」の強さをたたえた。

 ナダルが全仏初優勝を果たした2005年当時はまだ11歳で、今大会で自身初となるグランドスラム決勝の舞台に立った24歳のティエムは、ナダルの攻勢にさらされて攻略をの糸口をつかめず、最終的に4-6、3-6、2-6という完敗に近いスコアで敗れた。ティエムは試合後、笑顔を見せながら「肉体的には、ソファで試合を見ていたときの方が楽しかったよ」と語った。

「彼の全仏制覇のうち最初の4回か5回はいつもテレビで見ていた。もちろん、自分がここまでたどり着き、決勝の舞台でラファと対戦できたのは本当に素晴らしいことだ。本当に最高だと思う。だけど、決勝だからもちろん落ち込んでいる。どうしても勝ちたかった。全力を尽くしたけれど、きょうの僕は敗者だった。だから最終的には最高の一日ではなかった」

 ティエムは2017年のイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2017)と今年のマドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2018)でナダルを破り、最近2年間でクレーコートのナダルに土をつけている唯一の選手だった。また、クレーコートでナダルから3勝を挙げている史上3人しかいない選手の一人でもある。

 ティエムは「彼のプレーはすごかった。それがここで11回も勝っている理由だ。間違いなく、スポーツ史上最高レベルの偉業だよ。もちろん、僕もこれが自身最後のグランドスラム決勝になるとは思っていない。次の大会ではもう一つ上の結果を目指したい。それが最大の目標だ」と述べた。

「だけど優勝を積み重ねてグランドスラムを11回制するというのは異例だと思うし、信じられないことだ。飛び抜けた技術の才能、そして努力がそろわなければ、それだけのことは達成できないと思う」 (c)AFP/Jed Court