■メタンは夏に増える

 サイエンス誌掲載の別の論文では、季節によって大きく増減する火星のメタンの発生源の探求に関する最新情報が報告されている。

 3年分の測定データに基づく論文によると、最も単純な構造の有機分子メタンの濃度は、変動範囲が「0.24~0.65ppbで、北半球の夏の終わり近くにピークに達する」という。

 メタンガスは水分子がつくる結晶構造の中に閉じ込められた「クラスレート」と呼ばれる状態で、寒冷な火星表面下に蓄えられている可能性があると、研究チームは述べている。

 サイエンス誌に同時掲載された解説記事は「ゲール・クレーターは約35億年前、生命が発生した当時の初期地球に匹敵する条件を備えた生命存在可能な場所だったことを、キュリオシティーの調査結果は示している」と説明している。

 映像は、キュリオシティーが撮影したゲール・クレーター。7日公開。(c)AFP/Kerry SHERIDAN