【6月10日 AFP】カナダ・ケベック(Quebec)州で開催された先進7か国(G7)首脳会議(サミット)は9日、閉幕した。参加した首脳らは自分たちを貿易戦争の瀬戸際に追い込んでいる関税をめぐる溝を埋めることができなかった。

 トランプ大統領は、既存の取り決めの下で米国は世界の「貯金箱」扱いされて搾取されているので関税を課さなければならないと主張した。一方、他の各国の首脳らは「ルールに基づいた」国際貿易を守ると決めている。

 2日間の緊迫した交渉の末にまとめられた共同コミュニケは、世界貿易機関(WTO)を通じて多国間貿易の監視を改革し、関税の削減を目指していくとしている。

 G7は長年にわたる表現を踏襲し「われわれはWTOを現代化し、できるだけ早くより公正な組織とすることに全力を注ぐ。関税障壁、非関税障壁、補助金の削減に向けて努力する」とした。

 しかしこの共同コミュニケも、アルミニウムと鉄鋼への追加関税を正当化するために国家安全保障を持ち出したトランプ大統領の決断は「侮辱的」だと述べた開催国カナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相が米国製品に報復関税を課すと言明したことで、すっかりかすんでしまった。トルドー首相は「カナダ人は礼儀正しく合理的だが、言いなりになると思ったら大間違いだ」と述べた。