【6月9日 AFP】オランダ・ハーグ(Hague)の国際刑事裁判所(ICC)は8日、2002年に中央アフリカに派遣した部隊による残虐行為により禁錮18年の判決を受けたコンゴ(旧ザイール)のジャンピエール・ベンバ(Jean-Pierre Bemba)元副大統領に対し、控訴審で一転、無罪判決を言い渡した。

 ICCのクリスティーヌ・ファンデンバインガート(Christine Van den Wyngaert)裁判長は「中央アフリカで自身が派遣した部隊の犯した罪に対し、ベンバ被告に刑事責任を問うことはできない」と述べた。

 ベンバ被告は2002年10月、隣国中央アフリカのアンジュ・フェリックス・パタセ(Ange-Felix Patasse)大統領(当時)に対するクーデター計画を阻止するため「コンゴ解放運動(MLC)」を派遣した。

 ICCは2016年、同部隊が5か月の間に行った戦争犯罪と人道に対する罪の5件の罪状でベンバ被告に有罪判決を言い渡した。判決時に裁判長は、自身の私兵らの「残虐非道な」レイプや殺人、略奪といった行為を阻止しなかったとしてベンバ被告を非難していた。

 ファンデンバインガート裁判長は「第一審では、中央アフリカでの犯罪を調査し罰するベンバ被告の能力が制限されていたことを示す重要な供述証拠が無視された」と指摘した。(c)AFP/Jan HENNOP