【6月10日 東方新報】京都KBSセンターで5月初め、日本の著名プロレスラー率いるプロレス興行が行われた。しかし一部試合の演出だけは少し違っていた。

 この日本人レスラーは、人気レスラーのCIMAこと大島伸彦さん。大島さんは、中国・河南省(Henang)少林寺(Shaolin Temple)周辺地域の選手たちを集めて結成した中国のプロレス団体「東方職業摔角連盟(オリエンタル・レスリング・エンターテイメイント、OWE)の総監督として、日本プロレス界との交流を深めるため、この日の興行に参加した。

 大島さんは、日本のプロレス団体ドラゴンゲート(DRAGON GATE)に所属していた人気プロレスラー。少年時代にメキシコに渡り、現地のプロレス養成学校の一期生として、また当時最年少として卒業。その後、日本で一躍人気レスラーに。

 大島さんが総監督を務めるOWEは、プロレスに少林寺拳法の要素を加えた新しいタイプのプロレスだ。京都で行った興行では、OWE所属の中国人レスラー二人が日本人レスラーと共にリングに立ち、華麗な動きに観客からの熱烈な声援と拍手を受けた。

■「中国武術への信仰や価値観復興させたい」

 OWE創始者の傅華陽(Fu Huayang)代表は、少林寺の高名な武術家の直弟子で、少林寺を国際的に広めるための活動を続けている。

「少林寺やブルース・リー(Bruce Lee)など、中国のカンフーは半世紀以上も前から、世界中から尊敬を集めてきた。世界各地からカンフー愛好家が少林寺を訪れ、交流なども多くあったが、現在の中国国民のカンフーに対する興味は薄れている」と傅代表。OWEによってプロレスとカンフーの魅力を掛け合わせ、中国武術に対する信仰や価値観を復興させ、中華文化を世界に向けて送り出す新たなモデルとにしたいと考えている。