【6月11日 AFP】大量の難民認定申請が殺到し審査手続きの遅滞が問題となっているスウェーデンで先週、難民認定を申請中の未成年の移民に対し、成人年齢の18歳になっても高校卒業までは未成年として在留を認める法案が議会で可決された。

 新法により、スウェーデン入国時に未成年だった数千人の難民申請者が、一時在留許可を再申請できるようになる。

 難民認定の審査基準は、成人のほうが未成年より厳しい。しかし、移民数が人口比で欧州最多のスウェーデンでは現在、審査手続きに平均1年以上かかってしまうため、申請者が審査開始までに成人年齢に達してしまう事例が問題となっていた。

 緑の党のマリア・ファーム( Maria Ferm)議員は「われわれには、政治的責任を取る必要がある。スウェーデン当局が期限に間に合うように申請を処理できていないという理由で、(申請者が)影響を受けてはならない」とスウェーデン通信(TT)に語った。

 新法は7月1日に施行される。対象となるのはスウェーデン入国時に未成年で、同国が移民規制を厳格化した2015年11月24日以前に難民認定を申請した人に限定され、9月末までに在留許可を再申請しなければならない。

 スウェーデンに難民認定を申請した人は2012年以降、これまでに40万人に上る。居住者25人中1人は難民申請者という欧州随一の割合で、移民流入のピークだった2015年にはこの年だけで16万2000人が難民認定申請を行った。(c)AFP