【6月8日 AFP】米商務省は7日、米政府と中国通信機器大手、中興通訊(ZTE)が同社への制裁の緩和で合意したことを発表した。ZTEはこの制裁により経営危機に陥っていた。

 ウィルバー・ロス(Wilbur Ross)商務長官は7日、ZTEとの合意と現行の米中貿易交渉に関係はないと改めて表明したが、合意は難航中の貿易交渉の進展を示唆している可能性がある。

 米議員らは同日、ZTEはイランと北朝鮮に対する制裁に違反したのみならず、米国に「諜報の危険」をもたらしたとして、同社に対する制裁の解除に強い反発を示した。

 ロス長官は米経済専門局CNBCに対し、今回合意した罰金は「商務省が輸出規制への違反者に科してきた中で最も厳格で、最も高額」だと述べ、ZTEには引き続き、厳しい制約が課されると説明した。

 米政府は4月、ZTEがイラン・北朝鮮制裁への違反をめぐり虚偽を重ねた上、責任のある従業員らを処分しなかったことが判明した後、同社に対する重要な米国製部品の販売を禁止した。

 ZTEは昨年にも12億ドル(約1320億円)の罰金を科されているが、今回の合意の下、さらに罰金10億ドル(約1100億円)と、今後違反があった場合のための預託金4億ドル(約440億円)を支払う。

 このほかZTEには、取締役会を全面的に刷新することや、今後10年間にわたって商務省に報告を提出する法令順守専門家を外部から複数採用することが求められる。

 これらの条件と引き換えに、米政府はZTEを制裁リストから除外する。(c)AFP/Douglas Gillison