【6月10日 AFP】埃が舞い上がるシリア北東部の農場で、シュファン・マハムードさん(39)は闘鶏用の生後9か月のおんどり、「スナイパー」を抱きかかえた。

 動物虐待の懸念から世界各地の多くで禁止されている闘鶏が、紛争で荒廃したシリアの主にクルド人が居住するこの地域では人気を博している。

 養鶏を営むマハムードさんは8年前、自宅近くに闘鶏用の特別な会場を設けた。今ではここにシリア北部の住民が続々とやって来る。

 スナイパーの黒い羽根には白い斑点があり、頭の上の小さなとさかは真っ赤だ。マハムードさんは「他のおんどりはみんなスナイパーを恐れている。彼は最強だ」と誇らしげにスナイパーの首をなでる。

 マハムードさんの養鶏場はカーミシュリー(Qamishli)の郊外にある。クルド人住民が多数を占めるこの街は、北部シリアにあるクルド人自治区の中心地となっている。2012年にクルド人地域からシリア政府軍が退去して以降、地元自治当局が警察を含む独自の公共機関を設置した。

 マハムードさんによると、闘鶏の愛好家らは、クルド人が支配する北部の各地からやって来る。ただ観客として来る人もいれば、懸賞金目当ての人もいる。

 おんどりの出身地もさまざまで、スナイパーはドイツ生まれだ。「だが最も優れているおんどりはたいてい、トルコのアダナ(Adana)が産地だ」とマハムードさん。また、インドやパキスタン生まれのおんどりもいる。