【6月7日 AFP】台湾で今月2日、アジア最大級のコンピューター見本市「コンピューテックス(Computex)」が開幕した。ライバルである中国との競争が激化する中、台湾のハイテク産業国としてその実績を高めていくため、同見本市は新たにベンチャー企業に注目している。

 35年にわたって同見本市を主催してきた台湾は、部品の製造やコンピューターの組み立てなどから、パソコン全盛の時代において、技術とイノベーションの拠点として名を上げてきた。

 だが、国産のスマートフォンや半導体を含むハードウェアの開発など、中国が自国のハイテク産業の成長を推し進める中、台湾は小規模ながら、斬新なアイデアを持つニッチな企業に注目している。

 今年の見本市では初めての試みとして、コンピューテックスの主催者側が国際市場に進出する潜在能力があると見込んだ新興企業9社に、会社の認知度を高めてもらおうとの意図から、特別の展示スペースが提供された。

 コンピューテックスの共同主催者である台北市コンピュータ協会(Taipei Computer AssociationTCA)のLi Chang氏は、「大量生産というよりはむしろ、より多くのイノベーションを起こすという新しい方向性に目を向けていかなければならない」と話す。同氏は政府に対しても、若い企業をさらに支援するよう求めている。

■国際的な後押しを受けるベンチャー企業

 今回特別に選ばれた企業9社のうちの一つ「Mozbii」は昨年、米クラウドファンディング最大手キックスターター(Kickstarter)を通して、「世界初の色を拾うスタイラス」と銘打った、色を認識して取り込むハイテク製品の開発のため、4万5000ドル(約560万円)の資金を調達した。

 この製品は、対象物に押しつけると円形のセンサーがその対象物の色を認識し記憶する。さらにタブレット端末のスクリーンにタッチすれば、スクリーン上でその色が再現される。

 ドイツ・ハノーバー(Hanover)に本拠を置き、コンピューテックスのデザインおよびイノベーション賞の運営に協力しているインダストリー・フォーラム・デザイン(iF International Forum Design)のラルフ・ビグマン(Ralph Wiegmann)最高経営責任者(CEO)は、世界的な競争力がある台湾メーカーの数は限られているとし、企業は新旧にかかわらず、長期のブランド戦略を展開する必要があると話す。

 さらに同氏は「ブランド戦略は大きな挑戦であり、長期にわたる課題でもある。多くの台湾、そしてアジアのベンチャー企業は長期的な戦略に慣れていない」と語った。

 映像は5日撮影。(c)AFP/Benjamin YEH/Laura MANNERING