【6月7日 AFP】エルサレムで予定されていたサッカーイスラエル代表とアルゼンチン代表による国際親善試合が中止になったことをめぐり、イスラエルサッカー協会(IFA)とパレスチナサッカー協会(PFA)は非難の応酬を繰り広げている。

 IFAは、パレスチナ側の脅迫がリオネル・メッシ(Lionel Messi)を含むアルゼンチンの選手たちから2018年W杯ロシア大会(2018 World Cup)前最後となる強化試合の機会を奪ったと説明し、PFAを「サッカー界のテロだ」と非難した。

 一方のPFAはIFA側の主張をはねつけ、アルゼンチン代表が手を引いたのは、イスラエル側が政治的な利得のためにこの試合を利用していたと理解したからだと反論した。

 IFAのロテム・カメル(Rotem Kamer)会長は、「われわれは今、PFAとその会長(ジブリール・ラジューブ〈Jibril Rajoub〉)によるサッカー界のテロに直面している」と話し、証拠をまったく示すことなくアルゼンチンの選手やその家族を脅迫したことを批判した。

 またカメル会長は「われわれは今回の件について、越えてはならない一線を越えてしまったと考えている。受け入れることはできない」と述べ、国際サッカー連盟(FIFA)に対して正式に不服を申し立てると明かした。

 エルサレムで行われる予定だった試合はチケットが完売になっていたが、イスラエルによって占領され、後に併合される東エルサレムを首都だと主張しているパレスチナ側の強い反対により、5日に中止となった。

 もともとこの一戦はイスラエル北部の都市ハイファ(Haifa)で開催されるはずだったが、イスラエルの強硬なミリ・レゲブ(Miri Regev)文化・スポーツ相が圧力をかけたことで試合会場が変更になっていた。

 パレスチナは今年5月、米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が在イスラエル米大使館をテルアビブ(Tel Aviv)からエルサレムに移転したことに反発しており、多数のパレスチナ人が犠牲になったパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)での抗議活動に拍車をかけていた。(c)AFP