【6月6日 時事通信社】タイ南部で死んだクジラの胃から重さ8キロを超すポリ袋が見つかり、国民に衝撃を与えている。タイではポリ袋が生活に密着しているが、クジラの死をきっかけに利用を見直す動きが出てきた。

 南部ソンクラー県で5月28日、小型クジラのコビレゴンドウの雄が弱って漂流しているのが発見された。獣医師らの介抱もむなしく、今月1日にポリ袋5枚を吐き出した末に息絶えた。解剖の結果、スナック菓子の小袋から大きなゴミ袋まで80枚以上のポリ袋が胃から出てきた。

 天然資源・環境省の専門家は「私が見た中で最も深刻な事例。多くの場合、1~2枚でも死ぬ」と指摘。「1枚のみ込んで弱り、餌を探せなくなったため、何でもいいから食べようとして何枚も口にした可能性がある」と分析した。

 タイでは屋台で買った食べ物をポリ袋に入れて持ち帰る習慣があるなど、ポリ袋を頻繁に使う。著名海洋生物学者であるカセサート大学のトン水産学部副学部長は「クジラの死はわれわれの怠慢の結果。社会を変える契機にしなければならない」と訴え、レジ袋有料化などの対策を提唱した。

 ポリ袋の使用抑制の機運が高まる中、関係省庁や自治体、企業など約20団体は5日、プラスチック廃棄物の2027年までの半減を目指し、覚書に調印した。(c)時事通信社