【6月5日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、ヒューストン・テキサンズ(Houston Texans)の元チアリーダーグループが4日、同リーグのコミッショナーに宛てた書簡で、女性に対する搾取をやめることに加えて公平な賃金が支払われるようにすることを訴えた。

 1日にテキサンズを相手取り訴訟を起こしたグループの弁護士を務めるグロリア・アルレッド(Gloria Allred)氏は、報道陣に対して、チアリーダーたちがふさわしい扱いを受け、最低賃金以上の給与の増額を求めるときがきたと話し、書簡の内容を読み上げる形で、「女性は敬意の対象であり、仕事の内容にふさわしい賃金が支払われるべきである。女性たちが男たちからくずのように扱われた時代は終わっている。もう十分だ」と述べた。

 往年の名コメディアンでありながら性的暴行罪で名声が失墜したビル・コスビー(Bill Cosby)被告の被害者の代理人も務めていたアルレッド氏は、原告の女性たちに囲まれる中、NFL側に一週間以内の回答を要求。訴状によると、女性たちは時給7.25ドル(約800円)で働かされていた上に、ハラスメントにもさらされていたとしている。

 先日にはニューオーリンズ・セインツ(New Orleans Saints)とマイアミ・ドルフィンズ(Miami Dolphins)のチアリーダーからも、同様の訴訟問題が起きている。一連の問題が発覚したのは、先月ニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙の記事で、ワシントン・レッドスキンズ(Washington Redskins)のチアリーダーグループが、中米コスタリカに遠征した際に、ヌードを被写体としたものではないカレンダー用の写真撮影でトップレスになることを強要されたと報じられたことがきっかけとなった。

 米国で長い歴史を誇るプロスポーツで、露出度の高いコスチュームの女性たちが試合のサイドラインにいる姿は、セクハラ告発運動「#MeToo(私も)」が広がっている現代において、時代遅れではないかと疑問視する声が一部で上がっている。

 アルレッド氏はそこまで踏み込まなかったものの、チアリーディングが男女共通の職業になれば、労働条件の改善に大いに役立つとして、「男性がその職業に就いていれば、たいてい条件が良くなる」と述べた。(c)AFP