史上初の太平洋遠泳横断へ、仏冒険家の挑戦 難関は「プラごみ」
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■「いたるところにプラスチック」
スタート直前、ルコントさんはAFPのインタビューに、「身体面よりもメンタル面の方が非常に重要だ。必ず、常にポジティブなことを考えるか、何かしら思案し続ける必要がある」と語った。
「頭の中をいっぱいにするものがないと、悪循環に陥ってしまう。そういう時に悪いことが起きるんだ」
ルコントさんによると、最もつらいのは、朝、海に戻るときだという。また、毎日4~6時間泳いだ後には「壁」にぶつかるという。
「心と体、そして痛みや寒さなど自分の体に起きることを切り離すよう努力する。8時間のあいだ、何について考えるのかきちんと予定を立ててある。頭の中を常に忙しくさせていないと駄目なんだ」
ルコントさんは1998年、大西洋を泳いで横断した。当時は「もう二度とやらない」と誓ったが、自分の家庭を持つとまた海に戻りたいと思うようになったという。
「自分が幼いときは、父親と浜辺を歩いていてもほとんどプラスチックのごみなんて見なかった。いまは、子どもを連れて行くといたるところにプラスチックが落ちている」
今回の挑戦では、福島の原発事故による影響を確認するため、放射性物質の測定器も身に着ける。(c)AFP/Harumi OZAWA