【6月5日 AFP】イングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)に所属するGKロリス・カリウス(Loris Karius)が、レアル・マドリード(Real Madrid)との欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2017-18)決勝で失点につながるミスを犯した直前に、脳振とうを起こしていたことが4日、明らかになった。

 この診断結果を発表したのは、米ボストンで働く2人の医師で、チャンピオンズリーグ決勝が行われた5日後の先月31日に、マサチューセッツ総合病院(Massachusetts General Hospital)でカリウスに対して総合的な検査を行ったという。

 両医師は、「試合の映像を注意深く再確認し、詳細な病歴や身体検査、他覚的な基準を統合した結果、われわれはカリウス選手が5月26日の試合中に脳振とうを起こしていたという結論に至った」との声明を出した。

 カリウスはこの試合の後半4分、レアルのDFセルヒオ・ラモス(Sergio Ramos)と衝突した際に肘打ちを受けたと審判に対して主張していたが、このプレーに罰則が下ることはなかった。

 その2分後、カリウスは味方選手にボールを送ろうとしたものの、相手FWのカリム・ベンゼマ(Karim Benzema)にボールを渡し、レアルの先制を許すというミスを犯した。

 さらにカリウスはその後、ギャレス・ベイル(Gareth Bale)のシュートをつかみ損ねるという決定的なミスをしており、リバプールの3失点目により勝敗は決した。

 両医師は脳振とうがカリウスのパフォーマンスに影響を与えた可能性はあるとし、以下のように続けた。

「検査時にカリウスが訴えた後遺症や他覚的徴候を考えると、セルヒオ・ラモスと交錯した直後に視覚的な機能障害が生じていたのかもしれない」

 また両医師は、脳振とうを引き起こした出来事からカリウスが確実かつ安定的に改善していると話している。

「診断の結果に基づき、彼が完全に回復することを期待している」「われわれはカリウス選手に対して用心するよう助言し、完全にプレーできるよう復帰するためには安全であることを重要視すべきだと伝えた」 (c)AFP